文献詳細
文献概要
原著
水疱性類天疱瘡の1例
著者: 重見文雄1 武田克之1 花川寛1
所属機関: 1徳島大学医学部皮膚科
ページ範囲:P.49 - P.54
文献購入ページに移動1943年Civatteは尋常性天疱瘡に見られるacantholysisはジューリング氏疱疹状皮膚炎には見られず,また水疱の発生する部位が異ることを発表し,その後Lever21)(1953)がbullous Pem-phigoidの名称で,本症を天疱瘡とジューリング氏疱疹状皮膚炎との中間に位置する独立疾患としてはじめて記載した。以来本症は数多くの異名をもち,Rook and Waddington31)はpemphi-goidとして38例を,Prakken and Woerder-man28)はparapemphigusとして19例を報告し,Steigleder34)は高令者に多いことによりAlterspemphigusと呼び20例を発表した。またSneddon and Churchは高令者22例を観察しその臨床像につき詳細に述べ,33)Kim and Win-kelmann17)の小児例の報告もあり,他にBre-nnen and Montogomery1),Herzberg15)16),Stevenson35),Tappeinerら39),Saundersら32)の報告がある。
本症は比較的稀な症患とみなされているが,本邦においては仁木25)(1959)が7例を集め本症の臨床像,組織的所見などをもととして本症を独立疾患として報告し,橋本教授14)(1963)も本邦発表例23例に自験例を加えて本症の臨床症状などにふれ,文献的考察を加え,本症の独立性について記載している。
掲載誌情報