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第18回西日本皮膚科連合地方会 パネルデイスカッションI 皮膚疾患の臨床病理学的検討
薬疹の臨床病理学的検討
著者: 吉田彦太郎1 小野公義1
所属機関: 1岡山大学医学部皮虜科学教室
ページ範囲:P.979 - P.991
文献購入ページに移動現在迄にもある種の薬物たとえばクロールプロマジン,サルバルサン,サルファ剤,若干の抗生物質などが肝機能あるいは骨髄機能に対ししばしば重大な影響をおよぼすことはよく知られており,内科学的,病理学的立場より,かなり十分な検討が加えられている。しかし,あつかわれた症例の多くは皮膚に発疹がなく,またたとえ存在したとしてもその程度,種類,範囲などに対しては,ほとんど考慮されず,皮膚病変あるいは皮膚機能障害という1つの要素の介在した状態における全身的機能検査については,ほとんど知られていない。今回日本皮膚科学会第18回西日本連合地方会の主題の1つとして取り上げられた「皮膚疾患の臨床病理学的検討(外因性疾患の全身状態について)」の一環としてわれわれは薬疹のそれを担当したので,西日本各施設から提供された重症薬疹例にもとづき,主として末血像,血清蛋白像,肝機能所見について検討を試みることにした。
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