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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科21巻11号

1967年10月発行

文献概要

原著

Keratoacanthomaの1例

著者: 藤沢伸次1

所属機関: 1島田市民病院皮膚科

ページ範囲:P.1089 - P.1093

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I.はじめに
 本症についての最初の記載は1889年にJona-than Hutchinsonが"Crateriform ulcer of theskin"と題して発表した症例であるとされている1)。続いて1893年にはLassarが,又,今世紀に入つてからはGougerot(1917),Dupont(1930)などが本症と思われる症例を夫々報告したが,本症が一般に注目されるようになつたのは1936年MacCormac & Scarffがmolluscumsebaceumと名づけて本症の10例を一括報告してからであると云われている2)。それ以来30年間に欧米では頗る多数の報告例があり最早珍らしい疾患ではなくなつた。
 他方,我国に於いては古谷等3)が第1例を報告した昭和32年から今日までの10年間に可成りの症例が報告され,それらは文献上少なくとも60余例に達するが尚現在でも比較的珍らしい疾患に属している。殊に本邦例では顔面,頭部,頸部など所謂首から上の露出部位に生じたものが殆んどであつて,その他の部位に生じたものも報告されてはいるが稀である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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