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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科21巻11号

1967年10月発行

検査法

免疫電気泳動法

著者: 樋口光弘1 野口義圀1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.1101 - P.1109

文献概要

I.はじめに
 Tiseliusに始まる電気泳動は1950年Durr-um1)による血漿蛋白質の炉紙電気泳動法により更に簡単な操作で行なえるようになつたが1955年Grabar2)等はこれにOuchterlony3)を始めとする寒天内2重拡散法を組合せて血清のような複雑な組成を有する液体を更に細かく分画する方法を発表した。以来免疫電気泳動法は長足の発展を遂げ,例えばヒト血清では30種以上の成分が沈降線として検出され得るようになつたと云われている。臨床面では多発性骨髄腫を始めとして各種の免疫グロブリン異常症等の診断及び検索に欠かせぬようになつている。但し従来優秀な抗血清を作製することが難しく従つて充分満足し得る免疫電気泳動パターンを得ることが困難であつた。しかし最近では優秀な抗血清が市販され比較的手軽に行われるようになつた。更にScheideggerの微量法4),Kohnのセルローズアセテート膜による免疫電気泳動法13)の開発により,より微量の抗原,抗血清で分析の目的を達し得るようになつた。さて実施法については既に多数の文献(寒天免疫電気泳動4)〜11),セルローズアセテート膜免疫電気泳動12)〜18))があるがここでは我々の行つている寒天及びセルローズアセテート膜による免疫電気泳動法について述べ更に免疫グロブリンの簡単な定量法としてのImmuno-Plate (Hyland)を紹介したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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