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文献概要
原著
重症熱傷の1例—全身管理の問題点について
著者: 大城晶子1 中山秀夫1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.1163 - P.1168
文献購入ページに移動I.はじめに
人類が火の利用を発見して以来,熱傷は,外因性皮膚疾患として古い歴史を有している。文明が進歩するにつれ,受傷機会も多くなり,状況も複雑となり,その死亡率も決して減少していない1)。熱傷の治療に関しては,古来いろいろ異なつた方法があり,それぞれ効果をあげているようであるが,未だに多くの問題を含んでいるように思われる。皮膚科医が,全身症状を伴う重症熱傷を扱う機会は,外科医に比して,それほど多いとはいえないが,常に全身管理に対処する知識の準備は必要であろうと思われる。我々は,最近重症熱傷で,心,腎の合併症をもち,各科の意見の相違等から,いろいろ問題を含む症例を経験したので,ここに報告するとともに,若干の考察を加えてみた。
人類が火の利用を発見して以来,熱傷は,外因性皮膚疾患として古い歴史を有している。文明が進歩するにつれ,受傷機会も多くなり,状況も複雑となり,その死亡率も決して減少していない1)。熱傷の治療に関しては,古来いろいろ異なつた方法があり,それぞれ効果をあげているようであるが,未だに多くの問題を含んでいるように思われる。皮膚科医が,全身症状を伴う重症熱傷を扱う機会は,外科医に比して,それほど多いとはいえないが,常に全身管理に対処する知識の準備は必要であろうと思われる。我々は,最近重症熱傷で,心,腎の合併症をもち,各科の意見の相違等から,いろいろ問題を含む症例を経験したので,ここに報告するとともに,若干の考察を加えてみた。
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