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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科21巻13号

1967年12月発行

文献概要

シンポジウム アトピー性皮膚炎をめぐる諸問題

アトピー性皮膚炎をめぐる諸問題—序言

著者: 野口義圀1

所属機関: 1横浜市大医学部皮膚科

ページ範囲:P.1246 - P.1248

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 戦後導入されたアトピー性皮膚炎という概念は一見自家薬籠中の物となつた感がある。少くとも皮膚病名としてお馴染になつたことは確かである。だが良く考えてみると,未だどこかに腑に落ちない点のあることも確かである。
 アトピー性皮膚炎(または湿疹)に関しては増田1)の綜説に詳細を極めているが,これは半面アトピー性皮膚炎に対する見解が多様多彩であることを物語るものである。周知のごとくアトピー(atopy)はCoca (1923)の創意による名称で,即時型のアレルギーに与えられたもので,友人であるコロンビア大学言語学教授E.D. Perryの提案によるともいわれている2)。またアトピーとはアレルギー乃至過敏性(hypersensitivity)反応の即時型であつて血清抗体によつて仲介され,人間にも下等動物的にもみられたるのでCoca and Sulzberger (1922)によつて創造された言葉であるともいわれる3)。これは家族型のアレルギーでその周期性,可逆性,浮腫及び平滑筋痙攣を特色とする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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