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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科21巻13号

1967年12月発行

検査法

癩の診断と検査法

著者: 肥田野信1

所属機関: 1東京警察病院皮膚科

ページ範囲:P.1297 - P.1301

文献概要

はじめに
 癩の診断は一般の皮膚科的疾患の診断といささか趣を異にするところがある。第1にはその診断が患者個人に与える重大性であり,第2にはそれが皮膚症状,神経症状,手足の変形等多岐にわたるもので,皮膚症状を伴わないことも少くない点である。
 治癩剤の発達によつて癩の予後が著しく好転した今日,患者が癩と診断されることによつてこうむる影響は昔ほど深刻でない筈とはいうものの,なおその診断をうけたが為に自殺をはかつたりすることもあり,又療養所に隔離されることともなれば,その家庭が破壊されるとはいわないまでも重大な変化を余儀なくされるのが現状である。社会の,癩に対する偏見のなお少くない今日,患者個人とその家族の将来に様々の陰影をなげかける点,癌の診断を告げるより更に慎重な考慮が必要とさえいえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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