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綜説
皮膚病と温泉療法
著者: 利谷昭治1
所属機関: 1九州大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.115 - P.121
文献購入ページに移動Ⅰ.緒言
皮膚病を温泉によつて治療しようという試みは古くから行なわれてきたが,最近の新しい抗生物質や副腎皮質ホルモン剤などの登場により,皮膚病の治療法は飛躍的な進歩をとげたにもかかわらず,今日なお,慢性難治性皮膚疾患に温泉療法が行なわれ,相当な効果を収めていることは注目に値する。
しかしながら,従来わが国で行なわれてきた温泉療法は民間療法の域をでず,純経験的に治療され,ヨーロッパのごとく温泉地の現地にあつて,適切な温泉療法の指導をする泉医が存在しないため,往々過度入浴にながれ,あるいは不適切な温泉治療によつて,しばしば増悪または重篤な副作用がみられることから,臨床医家が患者から温泉治療の相談をうけた場合に躊躇されるのも肯ずける。
皮膚病を温泉によつて治療しようという試みは古くから行なわれてきたが,最近の新しい抗生物質や副腎皮質ホルモン剤などの登場により,皮膚病の治療法は飛躍的な進歩をとげたにもかかわらず,今日なお,慢性難治性皮膚疾患に温泉療法が行なわれ,相当な効果を収めていることは注目に値する。
しかしながら,従来わが国で行なわれてきた温泉療法は民間療法の域をでず,純経験的に治療され,ヨーロッパのごとく温泉地の現地にあつて,適切な温泉療法の指導をする泉医が存在しないため,往々過度入浴にながれ,あるいは不適切な温泉治療によつて,しばしば増悪または重篤な副作用がみられることから,臨床医家が患者から温泉治療の相談をうけた場合に躊躇されるのも肯ずける。
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