文献詳細
文献概要
印象記
第18回西日本連合地方会皮膚科の部見聞記
著者: 谷奥喜平1
所属機関: 1岡山大学
ページ範囲:P.192 - P.195
文献購入ページに移動 本地方会は,10月22日の午後と23日との1日半に亘って宇部市の渡辺翁記念館で藤田英輔教授会長の下に盛大に開催された。先づ会長は西日本連合地方会の特徴を出すため,例えば西日本のカルテを集めてこの地域に頻発な皮膚病が存在するか否かを知るための皮膚疾患の「地理病理学的検討」なるシンポジウムを始めとし,皮膚疾患と内臓との関係を知るための手掛としての皮膚疾患の臨床病理学的検討のパネルディスカッションを行うと述べ,旺盛な意欲とユニークなアイデアーを盛ったプログラムによって進行した。先づ例によって特別講演,シンポジウム,パネルディスカッション,一般演題の順に述べることにする。
特別講演は「ヒト皮膚の胎生学的分化に関する電子顕微鏡的研究」と題して藤田会長の多年の研究データが発表された。そもそも腫瘍研究の足掛りとして,腫瘍細胞の未熟性,未分化性に類似した胎生学的皮膚組織の研究を始められた由であるが,この方面の研究の乏しいことから腫瘍と別に徹底してこれに取り組んだ結果,表皮—付属器から真皮—皮下脂肪織,更に皮膚隣接組織とすべてにわたり電顕的に研究しておられた。まず表皮細胞の電顕的所見のわかり易い説明に始まりkerationo-cyteの分化に伴う変化を写真をもつて説明された。真皮—皮下組織では,特に細胞の鑑別に工夫をこらし光顕と電顕の比較により,赤芽球,骨髄巨核細胞等と皮膚固有の細胞との鑑別が行われ,明解にその所見と分化過程を示され,特に妊娠9週目でmelanocyteが出現すること,その分化過程,皮脂腺の分化過程も最近の知見として示された。皮膚隣接組織では,筋肉,骨及び軟骨組織にも触れ終始電顕写真をもとに分り易く説明された。
特別講演は「ヒト皮膚の胎生学的分化に関する電子顕微鏡的研究」と題して藤田会長の多年の研究データが発表された。そもそも腫瘍研究の足掛りとして,腫瘍細胞の未熟性,未分化性に類似した胎生学的皮膚組織の研究を始められた由であるが,この方面の研究の乏しいことから腫瘍と別に徹底してこれに取り組んだ結果,表皮—付属器から真皮—皮下脂肪織,更に皮膚隣接組織とすべてにわたり電顕的に研究しておられた。まず表皮細胞の電顕的所見のわかり易い説明に始まりkerationo-cyteの分化に伴う変化を写真をもつて説明された。真皮—皮下組織では,特に細胞の鑑別に工夫をこらし光顕と電顕の比較により,赤芽球,骨髄巨核細胞等と皮膚固有の細胞との鑑別が行われ,明解にその所見と分化過程を示され,特に妊娠9週目でmelanocyteが出現すること,その分化過程,皮脂腺の分化過程も最近の知見として示された。皮膚隣接組織では,筋肉,骨及び軟骨組織にも触れ終始電顕写真をもとに分り易く説明された。
掲載誌情報