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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科21巻4号

1967年03月発行

文献概要

特集 皮膚疾患の電子顕微鏡像

Lamellar ichthyosisにおけるMembrane coating granuleの態度について

著者: 高木靖信1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.365 - P.370

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I.はじめに
 先にSelby(1955)1),Odland(1960)2)などによつて認められた,上皮有棘層の一部,および顆粒層の細胞内に出現する特異な小顆粒について,曾つてこれをビールス3),あるいはミトコンドリアの崩壊産物2)とする考え方もあつたがMatoltsy4)がいちはやく,これを上皮の角化に関連する細胞内要素としてmembrane coating granule (以下M,C.G.と略す)と命名して以来これがトノフィラメント,ケラトヒアリン顆粒,デスモソームなどの細胞内要素と並んで角化に重要な役割を果しつつあるとの考えが強くなつて来た。特に最近この顆粒が高度にorganizeされた内部構造を有することが明らかとなつて,その本体,機能,特に角化との関連はますます興味ある問題となりつつあり活発な議論が行なわれている。われわれも角化機転におけるM.C.Gの役割を解明するため,正常並びに数種角化異常症の上皮について,その微細構造を特にこの顆粒を中心として観察追求しつつあるが,偶々lamellar ichthyosisの症例で若干の知見をえたのでここに報告したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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