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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科21巻5号

1967年04月発行

原著

膠状稗粒腫の経験—とくにそのゼリー状物質の本態の検索併せて本症の統計的観察について

著者: 鈴木啓之1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.489 - P.496

文献概要

 膠状稗粒腫は1866年Wagnerにより初めて記載されて以来,海外では130例余りの報告をみるのに比し,本邦では1923年松本1)の報告をもつて嚆矢とし,土井2)の集めた松本3)(1923),戸沢4)(1947),島5)(1956),藤浪6)(1943),大隅7)(1955),東大8)(1961),帷子9)(1964)の8例のほか,安部ら10)(1965)の1例を加えて,9例を数えるにすぎない。本疾患の発生機序に関しても全く不明であり,その名称もWagnerのColloidmiliumを初めとして,Pseudomiliumcolloïdale(Arrighi,Wolfram,ら),Kolloid-milien(Marchionini,Luger),Pseudo-kollo-idmilium(Nicolau,Bizzozero),Dégénéresc-ence colloide du derm(Besnierら,Feulardら),Colloidoma miliaris(Jarisch),Pseudo-milo-colloide(Pelizzari,Lombardo,ら),Mi-lium colloide(Pouget,Dubreuilh,ら),Coll-oid milium(Arnord,Robinson,ら),Pseudo Milium colloidale(Werther),Milium coloi-de(Alvaro Lapa),Degeneratio colloidalis miliaris(Ketzan),Colloid pseudomilium (Percivalら),Elastosis colloidalis conglo-merata(Ferreira-Marquesら)等の多数が提唱されている。
 わたくしは最近,膠状稗粒腫の1例を経験したのでこれを記載し,併せて本疾患の統計的観察を試み,かつ病巣部ゼリー状物質の本態解明のために行つた若干の実験成績を記し,その文献的考察を述べたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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