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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科21巻5号

1967年04月発行

検査法

薬理学的皮内反応

著者: 高瀬吉雄1 池上寿彦1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.510 - P.517

文献概要

はじめに
 疾患の抗原の確立,経過および皮膚諸機能を窺う目的で皮膚反応が汎く行われている。皮内反応は皮膚反応の代表的なものの一つであり,抗原判定や免疫状態の動態を知るための免疫学的皮内反応と,ある薬理的効果を持つ物質に対する個体の反応程度を知るための薬理学的皮内反応とがある。
 薬理学的皮内反応は生体に既知の薬理効果を示す物質の一定濃度,一定量により生じた皮膚の潮紅,膨疹形成,毛髪反射,発汗反応や時に蒼白反応などを疾患患者に観察して,対照群のそれらと比較検討,その物質に対する疾患者の皮膚生理機構の素因的動向を知らんとするものである。また疾患発生,あるいは経過中の,該個体の変調を窺わんともする。その方法および術式は概ね一定しており,かつ一般に簡便である。しかしその成績は絶えず,年齢,性,季節,温度,湿度,部位などの非特異的影響をうける。このためその判定は必ずしも容易でないことは,免疫学的皮内反応の場合と同様である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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