文献詳細
原著
文献概要
contagious pustular dermatitisは緬羊,山羊の口唇に疣状痂皮を形成する良性限局性のvi-rus性疾患で,人には直接感染動物との接触により伝染し,痘瘡様の発疹を生じる。1923年Ayn-aud1)が緬羊の発生例を報告して以来,緬羊と山羊を飼つている世界各国から報告があり,本邦では1948年秋に国立衛生研究所で緬羊に発熱を伴つた発疹が流行した例と2),1950年夏に長野県の緬羊牧場で3),また1950年山梨でいずれも緬羊に発生している2)。人間への感染は1943年Newsomら4)が緬羊から人への伝染例を,またPeterkin1)5)がイギリスで"ordinary variolous vaccinia"と似た単発の病巣を示した5例を報告しており,その他フランス1),ドイツ6),アメリカ7)8),スカンジナビア9),ニユージーランド10),オーストラリア11),ソ連12)など各地でみられ,報告された例数は少いが,実際にはかなり多いものと考えられる1)12)。
1965年5月に当地の種畜場で緬羊の間に本症が多発したが,獣医と労働者の3例に本症をみたので報告する。
1965年5月に当地の種畜場で緬羊の間に本症が多発したが,獣医と労働者の3例に本症をみたので報告する。
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