文献詳細
原著
文献概要
I.緒言
Stout & Murray1)は1942年,691例の血管系腫瘍を集計したが,その中にZimmermann2)の唱えた毛細血管のpericyteに由来すると思われる腫瘍9例に対してHelnangiopericytomaと命名した。さらにStout3)は1949年に本腫瘍の25例を纒めて報告し,このものを従来の他の血管系腫瘍から別箇のものとして新しい概念を確立した。
本腫瘍は皮膚のみならず,毛細血管の存するところ全身諸臓器に生じ得るもので,欧米諸国においては今日まで比較的多くの報告がみられるが本邦では少なく,いまなお比較的稀な疾患と考えられている。著者は最近顔面皮膚に発生した本腫瘍の1例を経験し,あわせて自験例を含めた本邦の31報告例4)〜30)について若干の文献的考察を試みたのでここに報告する。
Stout & Murray1)は1942年,691例の血管系腫瘍を集計したが,その中にZimmermann2)の唱えた毛細血管のpericyteに由来すると思われる腫瘍9例に対してHelnangiopericytomaと命名した。さらにStout3)は1949年に本腫瘍の25例を纒めて報告し,このものを従来の他の血管系腫瘍から別箇のものとして新しい概念を確立した。
本腫瘍は皮膚のみならず,毛細血管の存するところ全身諸臓器に生じ得るもので,欧米諸国においては今日まで比較的多くの報告がみられるが本邦では少なく,いまなお比較的稀な疾患と考えられている。著者は最近顔面皮膚に発生した本腫瘍の1例を経験し,あわせて自験例を含めた本邦の31報告例4)〜30)について若干の文献的考察を試みたのでここに報告する。
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