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原著
Senear-Usher症候群—症例報告
著者: 鈴木和子1 赤井昭1
所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.1001 - P.1006
文献購入ページに移動I.緒言
本症は1921年Ormsby & Mitchell1)がChi-cago Dermatological Societyにおいて最初に患者を供覧したのにはじまり,1926年Senear &Usher2)が自験例も含めて11例の症例を報告して以来,Senear-Usher syndromeあるいはPem-phigus erythematodesなどの名称で呼ばれてきた。外国ではRichter3)によれば,1949年までに,すでに122例もの症例が報告されており,それほど稀な疾患ではないと思われる。しかしわが国ではなお相当稀な疾患に属する。すなわち大正11年阪上4)による天疱瘡様紅斑性狼瘡という標題のもとでの第1例の報告以来,佐野ら5)は,昭和29年までに自験例も含めて6例の報告をみるにすぎないといい,また昭和38年加納ら6)は4例を報告した際,10数例を数えるのみと記載し,最近はやや増加の傾向があるけれども,第1表の如く著者らの調べた限りでは自験例も含めて48例4)〜44)にすぎない。最近われわれは本症と思われる1例を経験したのでここに報告する。
本症は1921年Ormsby & Mitchell1)がChi-cago Dermatological Societyにおいて最初に患者を供覧したのにはじまり,1926年Senear &Usher2)が自験例も含めて11例の症例を報告して以来,Senear-Usher syndromeあるいはPem-phigus erythematodesなどの名称で呼ばれてきた。外国ではRichter3)によれば,1949年までに,すでに122例もの症例が報告されており,それほど稀な疾患ではないと思われる。しかしわが国ではなお相当稀な疾患に属する。すなわち大正11年阪上4)による天疱瘡様紅斑性狼瘡という標題のもとでの第1例の報告以来,佐野ら5)は,昭和29年までに自験例も含めて6例の報告をみるにすぎないといい,また昭和38年加納ら6)は4例を報告した際,10数例を数えるのみと記載し,最近はやや増加の傾向があるけれども,第1表の如く著者らの調べた限りでは自験例も含めて48例4)〜44)にすぎない。最近われわれは本症と思われる1例を経験したのでここに報告する。
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