文献詳細
原著
文献概要
I.はじめに
環状肉芽腫Granuloma annulareは1895年,Fox1)によりUnusual ringed eruption on the fingersとして記載されたのが最初とされる。次いで1902年,Crocker2)が初めて,Granuloma annulareと命名した。さらに1908年,Little3)が経験例を含めた49例について総括的記載を行なつた。以後,欧米においては多数の報告があり,本症の臨床像,組織像,発症病理,鑑別診断,治療などにつき色々と論じられている。種々のSynonymがあるが4)102),一般にはこの病名が使用されている。本邦では,昭和6年の百瀬5)の報告を第1例とし,戦前は稀な疾患とされていたが,戦後は報告例も増加し,最近では,それほど稀な疾患ではなくなつた感がある。著者の集め得た範囲の本邦報告例5)〜98)は,43年3月までに120例を数える。最近経験した3例を報告し,本邦例を総括した要点を記載して,本邦における病像確立の一端に資したい。
環状肉芽腫Granuloma annulareは1895年,Fox1)によりUnusual ringed eruption on the fingersとして記載されたのが最初とされる。次いで1902年,Crocker2)が初めて,Granuloma annulareと命名した。さらに1908年,Little3)が経験例を含めた49例について総括的記載を行なつた。以後,欧米においては多数の報告があり,本症の臨床像,組織像,発症病理,鑑別診断,治療などにつき色々と論じられている。種々のSynonymがあるが4)102),一般にはこの病名が使用されている。本邦では,昭和6年の百瀬5)の報告を第1例とし,戦前は稀な疾患とされていたが,戦後は報告例も増加し,最近では,それほど稀な疾患ではなくなつた感がある。著者の集め得た範囲の本邦報告例5)〜98)は,43年3月までに120例を数える。最近経験した3例を報告し,本邦例を総括した要点を記載して,本邦における病像確立の一端に資したい。
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