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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻11号

1968年10月発行

文献概要

原著

毛包虫の共生をみた白癬性毛瘡の1例

著者: 高島巌1 矢島千穂1 永井盛人1

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1103 - P.1107

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I.緒言
 白癬性毛瘡は,Sycosis parasitaria & tricho-phytica, Tinea & Trichophytia barbaeなどと呼ばれ,白癬のうちでは比較的稀な疾患である。Miescher1)によると,既にローマ時代からMentagraとして知られていたという。Götz2)が,第一次世界大戦後に,理容上の不衛生のため流行性に蔓延したと記載していることや,さきのMiescher1)の文献中の記載をあわせ考えると,戦時,戦後を通じて本疾患は増加の傾向にあるように思われる。しかしわが国ではこのような報告はみられず,諸家の白癬統計中にも白癬性毛瘡の病名をみることが少ない。著者らはこのたび,湿疹と診断されてコルチコイド療法を施行されたために病像が悪化し,身体各部に斑状小水疱性白癬の発生をみたばかりか,毛瘡病変の膿疱中に毛包虫の共生を認めた本症症例を経験したので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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