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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻12号

1968年11月発行

文献概要

原著

汎発性扁平疣贅

著者: 安部佳子1 辻卓夫1 須貝哲郎1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1185 - P.1190

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I.緒言
 1922年LewandowskyおよびLutz1)は生後まもなく,扁平疣贅様ないし粃糠疹様の皮疹が全身に多発し,治癒することなく残存した29歳女子の1例を報告し,組織学的に,表皮において,著明な空胞細胞の認められたことから,疣贅様表皮発育異常症(Epidermodysplasia verruciformis)と命名した。さらに両親が血族結婚であり,幼少時より皮疹が発生し,変化することなく経過し,また治療に対しても皮疹の改善が認められなかつたことから,本症を先天性表皮発育異常症の1つであろうとした。その後,疣贅様表皮発育異常症として報告された症例は100例をこえ,尋常性ないし扁平疣贅との関連性や,病因に関して多くの意見が述べられてきた。
 1966年RuiterおよびVan Mullem2)は,本症の皮疹表皮の棘細胞層上部から移行層までの細胞核内に,結晶状に配列したウィルス粒子集団を認めnegative stainによつて,疣贅ウィルス群と同定した。かくして疣贅様表皮発育異常症は,疣贅ウィルス群に抵抗性の弱い特異的な素質に発現する一種の汎発性扁平疣贅であろうと考えられるようになつた3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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