文献詳細
原著
Subcorneal pustular dermatosis, Sneddon-Wilkinsonについて
著者: 番場秀和1
所属機関: 1千葉大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.1207 - P.1216
文献概要
従来,疱疹状皮膚炎,疱疹状膿痂疹ないし天疱瘡群の不全型あるいは移行型として報告されていた慢性水疱—膿疱性疾患の一群の症例1)2)3)4)が知られていた。1956年SneddonおよびWilki—nson5)は自験例7例とこれらの報告例を検討してその特異な臨床的,組織学的病像からこれをsubcorneal pustular dermatosis (以下S.P.D.と略す)と命名し,その独立性を主張した。その後報告例があいつぎ海外に約80例,本邦に20例の記載がある。しかしながら諸家が指摘しているように,原著者らの診断基準から逸脱している症例も散見され,本症の分類学上の位置はもとよりその本態の解析を困難にしている。
著者は最近本症の3例を経験したのでここに報告し,併せて若干の私見をのべてみたい。
掲載誌情報