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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻13号

1968年12月発行

特集 第67回日本皮膚科学会総会

シンポジウムⅡ 下腿の炎症性硬結

下腿硬結症における細菌性抗体

著者: 小林健正1 原紀道1 滝沢和彦1 高野元昭1 苅谷英郎1

所属機関: 1千葉大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1331 - P.1339

文献概要

I.はじめに
 下腿は炎症性結節ないし硬結の好発部位であり,それらの病変の主体をなすものは臨床的には著しい多形性を示す散在性の比較的小さな発疹を特徴とするものと,比較的単一な形態をとり,1個ないし少数の盆状皮疹を特徴とするものとに大別できる。しかし,それらを組織学的にみる時には前者が多数の吻合を持つ表在性血管を反応の場とし,後者が真皮・皮下境界部ないし終末動脈に貫流される脂肪織内の血管変化を前景に示すという差こそあれ,いづれの場合も本質的には白血球の迷走および崩壊,血管壁の腫脹ないし破壊に特徴づけられた血管炎である。このような皮膚および皮下脂肪織の血管炎は異つた原因因子によつても同じ臨床像と組織像とを示すいわゆるréactioncutanéeとされており,原因因子としては内因的諸因子の役割を無視できないとはいえ,薬剤アレルギー性血管炎と結核菌を含めた細菌その他の微生物感染の意義とが強調されて来た(Schnei—der1))ことはいうまでもなく,著者に課せられた命題は下腿の炎症性硬結を示す患者における細菌性抗体の検討である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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