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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻13号

1968年12月発行

特集 第67回日本皮膚科学会総会

シンポジウムⅡ 下腿の炎症性硬結

皮下脂肪織炎の組織病因—とくにLipolyseを中心として

著者: 西山茂夫1

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1359 - P.1365

文献概要

 結節性紅斑及びバザン硬結性紅斑が,皮下脂肪組織及び真皮の炎症,つまりDermopanniculitisであるのに対して,主として皮下脂肪組織だけに限局した炎症性病変を,脂肪織炎(Panniculitis)という。ここではそのうちの脂肪融解(Lipolyse)を一次的な病変とする脂肪織炎を中心として述べる。
 一般に皮下脂肪組織の炎症の病理組織標本を見る場合には,一次的な病変が主として葉間結合織にあるか,脂肪細胞の集団の中にあるかを判断する必要がある。何故ならば葉間結合織の炎症は,比較的容易に真皮にまで拡大波及して,Dermo-panniculitisの形となり,われわれが真皮で通常遭遇する炎症と同じ過程をたどるのであるが,一方脂肪細胞集固の炎症は,脂肪細胞の破潰,すなわちLipolyseをおこし,その修復機転として脂肪喰食細胞(Lipophagen)が出現し,脂肪肉芽腫(Lipogranulom)を生ずる傾向がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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