文献詳細
文献概要
原著
Adenoma of the nipple
著者: 長島正治1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.265 - P.268
文献購入ページに移動I.はじめに
中年女性の乳頭に発生する慢性糜爛結痂性病変が,乳房Paget病の主要臨床症状であることはよく知られている。しかしかかる臨床症状を示していても,組織学的にPaget病が否定され,むしろ汗腺腫瘍類似の管腔腺様構造が,そこに発見されることがある。筆者は,たまたまかかる乳頭腫瘍を経験し,それが文献上adenoma of thenipple8)と記載される腫瘍に一致することを知つた。本腫瘍は,皮膚科領域で殆んど注目されておらず,また汗腺腫瘍との鑑別上興味あるものと考えられるので,ここにその1例を報告する。
中年女性の乳頭に発生する慢性糜爛結痂性病変が,乳房Paget病の主要臨床症状であることはよく知られている。しかしかかる臨床症状を示していても,組織学的にPaget病が否定され,むしろ汗腺腫瘍類似の管腔腺様構造が,そこに発見されることがある。筆者は,たまたまかかる乳頭腫瘍を経験し,それが文献上adenoma of thenipple8)と記載される腫瘍に一致することを知つた。本腫瘍は,皮膚科領域で殆んど注目されておらず,また汗腺腫瘍との鑑別上興味あるものと考えられるので,ここにその1例を報告する。
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