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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻4号

1968年04月発行

原著

種痘様水疱症の1例

著者: 菊池礼子1

所属機関: 1東京医科歯科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.323 - P.326

文献概要

I.緒言
 幼少時より日光照射部位に,再発性に,紅斑,中心臍窩を有する水疱及び痂皮を生じ,瘢痕を以つて治癒する一見痘瘡に類似せる特徴を持つ疾患に,1862年BazinはHydroa vacciniformeと名付け,一独立疾患とした。しかしその後,皮膚症状が本症のそれに著しく類似せるものの中で,尿中にPorphyrinを排泄する患者が発見され,Porphyrin尿症として区別された。そして更に,Hydroa vacciniformeは逆にPorphyrin尿症の不全型で,Porphyrin尿がみられないものに過ぎないと云う考えすらも出現し,昨今いささか両症の関係が混乱しているかに見受けられる。我々が最近検索した限りに於いては,Porphyrin代謝には異常を認めず,Bazinの古典的記述に一致すると思われる3才男児の症例を経験したので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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