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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻5号

1968年04月発行

文献概要

特集 皮膚疾患の電子顕微鏡像(2)

Melanin顆粒を含むLangerhans細胞の電子顕微鏡像—予報

著者: 佐藤昌三1 高橋誠1

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.479 - P.485

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I.緒言
 Langerhans細胞は鍍金染色,超生体染色,組織化学的染色法により,皮膚,粘膜,皮膚附属器官内に樹枝状の細胞として認められ,電子顕微鏡的にも本細胞の胞体が淡明で,隣接の細胞とdesmosome結合によらず直接相互の形質膜で接し,核は不整形で切れ込みがあり,非特異的ながら特徴的なBirbeck顆粒を含むなど,形態像が明らかになつたが,その本態は今後の問題として残されているが現状である。Langerhans細胞を表皮内神経要素1)〜5),melamocyte由来細胞6)〜11),melanocyteと異質の細胞系12)13)とする見解はさておき,melanocyte,角化細胞と共棲するLangerhans細胞にmelanin顆粒が存在するとのFerreira-Marques1)(1951)の所説は,幾多の光学顕微鏡的,電子顕微鏡的検索がなされたにも拘らず確認され難かつたのであるが,1965年以後ようやく欧米14)〜16),本邦17)〜20)でmela-nin顆粒を含有するLangerhans細胞の電子顕微鏡像の報告をみるに至り,細胞本態の究明に重要な所見として注目を浴びている。我々は健常な皮膚,粘膜を用いてLangerhans細胞内へのmelanin顆粒出現を電子顕微鏡的に追求しているので,実験成績を予報的に述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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