文献詳細
文献概要
原著
爪カンジダ症
著者: 東禹彦1
所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.543 - P.552
文献購入ページに移動I.はじめに
爪カンジダ症は爪白癬に比べて頻度は低いのであるが,指爪を侵すことが多く,美容上における重要性は爪白癬にいささかも劣るものではない。しかし,カンジダによる爪変形についての記載はSamman1)がやや詳しく記しているのみで,その他の成書2〜5)には極めて僅かしか記されていないのが現状である。このように爪カンジダ症に対する認識はまだ充分とはいえず,本症が他種疾患と誤つて加療され,患者に対して経済的,時間的浪費を強いている例がしばしばみられるのである。それ故に,著者はこの3年間に経験した爪カンジダ症に基づいて,その臨床像,組織像ならびに治療法について報告し,併せて本症の成因について若干の考察を試みた。
爪カンジダ症は爪白癬に比べて頻度は低いのであるが,指爪を侵すことが多く,美容上における重要性は爪白癬にいささかも劣るものではない。しかし,カンジダによる爪変形についての記載はSamman1)がやや詳しく記しているのみで,その他の成書2〜5)には極めて僅かしか記されていないのが現状である。このように爪カンジダ症に対する認識はまだ充分とはいえず,本症が他種疾患と誤つて加療され,患者に対して経済的,時間的浪費を強いている例がしばしばみられるのである。それ故に,著者はこの3年間に経験した爪カンジダ症に基づいて,その臨床像,組織像ならびに治療法について報告し,併せて本症の成因について若干の考察を試みた。
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