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文献概要
原著
いわゆるAlveolar soft-part sarcomaと思われる1例
著者: 池田直昭1 水川秀海2 臼井紀一3
所属機関: 1足利赤十字病院皮膚科 2足利赤十字病院病理科 3国立栃木病院皮膚科
ページ範囲:P.579 - P.584
文献購入ページに移動その大部分が大腿部に原発し,後腹膜,腕,頸部にも発生する腫瘍で,組織像が蜂窩状の構造を示すのが特長的であり,その上皮様配列から,一見,上皮性腫瘍の如き観を呈する肉腫については,Christopherson, Foote&Stewart1)(1952)等によりalveolar soft-part sarcomaと命名され(以下ASPSと略),それ以後類似の腫瘍について既に種々報告されているが,最近同氏等13)は本症の53例について詳細に分析して再び報告している。本邦では深田,北村,武田2)(1955)が本腫瘍に類似するparaganglioma (Smetanaet al.3)1951)を含めてASPSと見做せる33例を一括報告しているが,著者等は最近両大腿に原発したと思われる腫瘍の組織を検し,その所見からASPSと考え得る症例に遭遇する機会を得たのでここに報告する。
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