icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻6号

1968年05月発行

文献概要

海外見聞記

第26回 American Academy of Dermatology

著者: 堀嘉昭1

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.608 - P.610

文献購入ページに移動
 第26回American Academy of Dermatology年次総会は,シカゴPalmer Houseにおいて,Dr. C. S. Livingoodを会長として12月2日より6日間,約2,000人の会員を集めて,催された。例年なら,雪が見られるとのことであつたが,今冬は暖くオーバー無しで,街のレストラン,カフエテリアに食事に行ける程であつた。クリスマスの近ずいた街は,美しく飾られ,教会の聖歌隊を,街角にくり出して,宣教している光景も見られた。会場のPalmer Houseのあるところは,down townの中心部であるので昼間は,買物の人々で,歩道は満たされ,夜は,食事に出かけた家族連れで,賑かであり,さすが,アメリカ北部の中心であると感じられた。
 御承知の方も多いと思いますが,このAmerican Academy of Dermatologyは,教育を主とした学会で,レジデントから開業医を含めた皮膚科医のためのSpecial lectureがあり,これにはHistopathology,Radiation therapy,Fundamentals of Cutaneous Allergy and Immunology,Structure and Function of the Skin,Cutaneous Surgery,Advances in Biological Sciences in Relation to Dermatology,MicrobiologyそれにMedical Writingと広範囲でありGrenzgebietから医学論文の書き方等についても,細かい指導が得られることになつている。講師には,その領域における一流の人々が当るわけであるが,中にはいたずらに時間をとるのみにて,要領を得ない講師もあつたとの不平を聞きました。筆者は,Advances in Biological Sciences in Relation to Deromatologyを聴講しました。皮膚科学におけるRescarch ToolsとしてChromatographic Techniquesでは,ガス,液体,ペーパー各クロマトグラフイーについての概論。Fluorescence Microscopyが螢光抗体に用いられること,その実際例のスライド供覧。AutoradiographyのHistology及びElectronrnicroscopyへの利用,講師はDr. Epsteinで,安価に出来ることを強調していた。Epidermal Cell Cultureについては一般の組織培養手技の常識を披露したにとどまり,電子顕微鏡についても,routineのことについて述べたあと,negativestain,shadowingが皮膚科領域においても用いられようと,簡単に概説しただけであつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?