文献詳細
原著
Angioma serpiginosum—1例報告と文献的考察
著者: 三宅一夫1 長島正治1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.665 - P.670
文献概要
1889年Hutchinson1)により,"A Peculiar Form of Serpiginous and Infective NaevoidDisease"としてはじめて報告され,1893年Rad-cliffe-Crocker2)によつて,"angioma serpigino-sum"と命名された本症は,従来主として米国学派3)〜6)により,いわゆる"pigmented purpuric dermatoses"の範疇に属する疾患として紹介さている。しかしがなら,1957年英国のFrain-Bell7)が,本症の独立性を論じ,従来の報告例中には,Hutchinsonの原著に一致せざる症例があることを指摘して以来,最近では米国においても,その見解に従う論文17)18)が散見されるに至つている。
最近われわれは,20歳女子に発生した本症を経験し,これを一種の毛細血管性母斑と推定することができたので,文献的考察を加え,ここに報告するものである。
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