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文献概要
原著
汎発性鞏皮症の2剖検例
著者: 野中勇夫1 岡吉郎1
所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.681 - P.687
文献購入ページに移動I.緒言
汎発性鞏皮症は単に皮膚の変化をきたすのみならず,全身諸器官を侵す系統的疾患であり,近時皮膚科のみならず,内科方面でも興味をもたれてきた。内臓諸器官のうちでも,特に心,肺,腎の変化は致命的であり,大多数の症例はこれが原因で死亡する。このうち特に肺における変化はかなり特異であり,最も注目されてきた。私共は最近,本症の発症から死亡まで1年という比較的急性の経過をとつた1例と同じく10年の長い経過をとつた1例を相ついで経験したが,いずれも呼吸器症状が著しく,剖検により肺,心の病変が著明であつた。この2例を報告し若干の考察を加えたい。
汎発性鞏皮症は単に皮膚の変化をきたすのみならず,全身諸器官を侵す系統的疾患であり,近時皮膚科のみならず,内科方面でも興味をもたれてきた。内臓諸器官のうちでも,特に心,肺,腎の変化は致命的であり,大多数の症例はこれが原因で死亡する。このうち特に肺における変化はかなり特異であり,最も注目されてきた。私共は最近,本症の発症から死亡まで1年という比較的急性の経過をとつた1例と同じく10年の長い経過をとつた1例を相ついで経験したが,いずれも呼吸器症状が著しく,剖検により肺,心の病変が著明であつた。この2例を報告し若干の考察を加えたい。
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