文献詳細
検査法
文献概要
I.はじめに
皮膚や結合組織は従来からあまり生化学的に興味をもたれていなかつた。これは代謝速度の点もあるが,これらの組織が物理的に化学的に強固であるため試料調製上の難点が大きな原因であつたように思われる。これらの組織を発生学的にみると皮膚は表皮epidermisと真皮corium dermisからなり,前者は外胚葉性の組織であるが,後者は中胚葉性で結合組織などと同じ性質のものである。生体内における役割をみても異つている点が多い。従がつて,これらの材料を生化学的に取扱う場合には,表皮と真皮とを区別して取扱わねばならない。また,皮膚は動物の体表面をおおつている大きな組織であり,絶えず外部から物理的,化学的の刺戟をうけている。これらの刺戟の種類や強弱に応じて身体の部位により皮膚の性状も異なつてくる。そこで実験に用いる動物の種類や部位も考慮しなければならない。ここでは,皮膚を取り扱つて実験する場合,表皮と真皮の分離法についてその概要を述べてみたい。
皮膚や結合組織は従来からあまり生化学的に興味をもたれていなかつた。これは代謝速度の点もあるが,これらの組織が物理的に化学的に強固であるため試料調製上の難点が大きな原因であつたように思われる。これらの組織を発生学的にみると皮膚は表皮epidermisと真皮corium dermisからなり,前者は外胚葉性の組織であるが,後者は中胚葉性で結合組織などと同じ性質のものである。生体内における役割をみても異つている点が多い。従がつて,これらの材料を生化学的に取扱う場合には,表皮と真皮とを区別して取扱わねばならない。また,皮膚は動物の体表面をおおつている大きな組織であり,絶えず外部から物理的,化学的の刺戟をうけている。これらの刺戟の種類や強弱に応じて身体の部位により皮膚の性状も異なつてくる。そこで実験に用いる動物の種類や部位も考慮しなければならない。ここでは,皮膚を取り扱つて実験する場合,表皮と真皮の分離法についてその概要を述べてみたい。
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