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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻7号

1968年06月発行

検査法

表皮,真皮の取り方

著者: 小倉良平1 松藤宗淳1 皆川重美1

所属機関: 1久留米大学医学部医化学教室

ページ範囲:P.697 - P.702

文献概要

I.はじめに
 皮膚や結合組織は従来からあまり生化学的に興味をもたれていなかつた。これは代謝速度の点もあるが,これらの組織が物理的に化学的に強固であるため試料調製上の難点が大きな原因であつたように思われる。これらの組織を発生学的にみると皮膚は表皮epidermisと真皮corium dermisからなり,前者は外胚葉性の組織であるが,後者は中胚葉性で結合組織などと同じ性質のものである。生体内における役割をみても異つている点が多い。従がつて,これらの材料を生化学的に取扱う場合には,表皮と真皮とを区別して取扱わねばならない。また,皮膚は動物の体表面をおおつている大きな組織であり,絶えず外部から物理的,化学的の刺戟をうけている。これらの刺戟の種類や強弱に応じて身体の部位により皮膚の性状も異なつてくる。そこで実験に用いる動物の種類や部位も考慮しなければならない。ここでは,皮膚を取り扱つて実験する場合,表皮と真皮の分離法についてその概要を述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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