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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻8号

1968年07月発行

文献概要

薬剤

Cephaloridine(セポラン)による梅毒治験例

著者: 植村隆1 小林三郎1 渡辺義一1 善養寺浩2 西条頼広2

所属機関: 1都立広尾病院皮膚泌尿器科 2都立衛生研究所

ページ範囲:P.805 - P.816

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I.はじめに
 梅毒の治療にペニシリン(Pc)が使用されるようになり各国の梅毒患者数は著しく減少してきたが,我が国に於ては近年顕症梅毒患者が次第に増加しつつある。この原因は医学的にも社会的にも複雑な問題であると思う。
 ところで現在駆梅療法には各種抗生物質を始めとして重金属剤が使用されているが,Pcの駆梅効果に較べると他の薬剤が劣ることが一般に知られている。Pcにはアレルギー及び耐性の問題はあるが投与法が便利である点は今日広く使用されている理由の1つであろう。1965年Cephalosporium acremoniumからPcと類似の核をもつCephalosporin Cなる新抗生物質が分離され,その誘導体Cephaloridine(CER)が半合成され広い抗菌性スペクトラムとPcとの交叉耐性が少い点から一般細菌感染症の治療薬として諸家の注目を浴びるに至つた。一方梅毒治療面に於ても家兎実験梅毒に関してもPcと同様の効果があることが示され,人梅毒の治験例の報告も最近見られる様になつた。然しながら末だその報告も少く諸種梅毒に対する投与量に関しても確定していない。吾々はCERに関する体内濃度,Pcとの交叉アレルギー及び梅毒治験例の文献を紹介し併せて吾々の症例に就て報告したいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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