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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科22巻9号

1968年08月発行

原著

Reticulohistiocytosis(皮膚型)

著者: 田久保浩1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.865 - P.869

文献概要

I.はじめに
 皮膚に結節状皮疹を作り,網内系細胞よりなる疾患群の1つにreticulohistiocytomaと称する疾患がある。その疾患概念はまだ明確化されたとはいえないが,近時この種の疾患に対する関心が増したせいか,かかる病名が適切と思われる症例が本邦においても数例報告されている。本症の如き疾患では診断の殆んどが組織検査に負う為,鏡検によりはじめて正しい診断が成されるのが普通で,臨床上その特徴はきわめて少ないものである。ただ本症と殆んど同一の組織像をとりながら,皮膚の他に関節・骨・粘膜などを侵す全身型reticulohistiocytosisについては,その臨床症状は有力な診断的根拠となるものと考える。
 著者は最近,臨床的に皮膚線維腫若しくは粉瘤が疑われた皮下結節で,病理組織所見よりreticulohistiocytosisなる病名が最も適当と思える症例を経験したので之を報告し,該疾患と近縁関係にある疾患,殊に本症の全身型即ちOrkin等のいうmulticentric reticulohistiocytosisとの関連をいささか考按したので述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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