文献詳細
原著
文献概要
I.はじめに
1934年,E.Hoffmann1)によつてはじめて記載された顔面下疳様膿皮症なる疾患は,主に顔面を侵し,そのあたかも硬性下疳を思わせる特異な臨床所見に対して与えられた病名である。多くの場合,病巣部より葡萄球菌が証明されることにより,一応細菌性疾患に分類されてはいるものの,その原因菌としての充分な意味ずけとなると,今なお,不明な点が多い疾患であるが,本邦における報告例は極めて少ない。われわれは,最近,本症と考えられる1例を経験したので以下に報告する。
1934年,E.Hoffmann1)によつてはじめて記載された顔面下疳様膿皮症なる疾患は,主に顔面を侵し,そのあたかも硬性下疳を思わせる特異な臨床所見に対して与えられた病名である。多くの場合,病巣部より葡萄球菌が証明されることにより,一応細菌性疾患に分類されてはいるものの,その原因菌としての充分な意味ずけとなると,今なお,不明な点が多い疾患であるが,本邦における報告例は極めて少ない。われわれは,最近,本症と考えられる1例を経験したので以下に報告する。
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