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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科23巻1号

1969年01月発行

文献概要

原著

緑色イレズミによる急性皮膚炎

著者: 須貝哲郎1 池上隆彦1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.33 - P.39

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I.はじめに
 イレズミによる事故は近年比較的稀であるが1),硫化水銀を主成分とする辰砂による紅色イレズミで最も頻度が高く2),黄色イレズミではそ主成分である硫化カドミウムで,光線過敏を来たすことがよく知られている3)。また辰砂中に微量混在する硫化カドミウムでさえ,紅色イレズミ部が同様に光線過敏を示すことがある2)3)。他方,緑色イレズミによるアレルギー性反応は現在まで僅か8例の報告をみるのみで4〜9),その中5例は慢性肉芽腫性反応4〜6),残り3例は遅延性の慢性炎症性反応で7〜9),すべてクロームによるとされている。その他に,コバルトにより惹起された明青色イレズミ部の肉芽腫性反応も報告されている10)
 著者らは今回緑色顆イレズミ部に発生した急性皮膚炎の1例を経験し,その緑色顆粒がクロームではなく,水銀およびチタンからなることを確認したので,文献的考案を加えて報告するとともに,チタンの組織化学的検出法を紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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