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薬剤
文献概要
I.はじめに
皮膚カンジダ症の治療は困難なものの1つにあげられている。それは1つには,その好発部位にもよるが,他方,その発症が種々の因子によつて誘発されるためである。例えば環境因子,すなわち高温,湿度が高いこと,換気が不充分であるといつた条件などが,本症の発症のみならず,再発,あるいは再感染にも関係してくるからである。そうして,今日皮膚カンジダ症の治療には,主として外用療法が行なわれているが,それで軽快した場合においても,再発をみるものが少なくなく,究極の予後は不良なものとみている人も少なくないのである。
そうして,本症の外用剤としては,古くからゲンチアナ紫のような色素,キノリン製剤のほか,レゾルシン,硫黄剤が用いられてきた。しかし,細菌感染症の治療に卓効をあげてきた抗生物質も,はじめのうちは真菌症に対して有効なものがえられなかつた。しかし,1953年前後にnystatin,1955年前後にamphotericin B,1959年頃からgriseofulvin,さらにわが国ではvariotinと,次々に,真菌症に有効な抗生物質が発見されてきた。そうして,前の2つは,とくにカンジダ症に有効なものとして,今日,広く用いられているものである。
皮膚カンジダ症の治療は困難なものの1つにあげられている。それは1つには,その好発部位にもよるが,他方,その発症が種々の因子によつて誘発されるためである。例えば環境因子,すなわち高温,湿度が高いこと,換気が不充分であるといつた条件などが,本症の発症のみならず,再発,あるいは再感染にも関係してくるからである。そうして,今日皮膚カンジダ症の治療には,主として外用療法が行なわれているが,それで軽快した場合においても,再発をみるものが少なくなく,究極の予後は不良なものとみている人も少なくないのである。
そうして,本症の外用剤としては,古くからゲンチアナ紫のような色素,キノリン製剤のほか,レゾルシン,硫黄剤が用いられてきた。しかし,細菌感染症の治療に卓効をあげてきた抗生物質も,はじめのうちは真菌症に対して有効なものがえられなかつた。しかし,1953年前後にnystatin,1955年前後にamphotericin B,1959年頃からgriseofulvin,さらにわが国ではvariotinと,次々に,真菌症に有効な抗生物質が発見されてきた。そうして,前の2つは,とくにカンジダ症に有効なものとして,今日,広く用いられているものである。
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