文献詳細
原著
文献概要
I.はじめに
久しく混迷を続けた魚鱗癬ないし魚鱗癬様疾患の分類は,最近に至つて遺伝的,病理組織学的また細胞動態的な見地から再分類される傾向にある。すなわち,Wells et al.26)(1965年),Frost et al.5)(1966年)またSchnyder et al.21)(1968年)は,それぞれ独自の分類案を示している(第1表)。これらの分類案は,一部になお見解の不一致を示しているが,すくなくとも,従来先天性魚鱗癬様紅皮症(以下CIEと略す)として一括されていたその水疱型と非水疱型たる乾燥型とを全く別個の疾患単位とすることについては意見の一致をみている。
最近当科外来において,3例のCIE (水疱型1,非水疱型2)を経験したのを機会に,CIEことにその水疱型と非水疱型の差異について考察し,かつその他の魚鱗癬との鑑別を試みたい。
久しく混迷を続けた魚鱗癬ないし魚鱗癬様疾患の分類は,最近に至つて遺伝的,病理組織学的また細胞動態的な見地から再分類される傾向にある。すなわち,Wells et al.26)(1965年),Frost et al.5)(1966年)またSchnyder et al.21)(1968年)は,それぞれ独自の分類案を示している(第1表)。これらの分類案は,一部になお見解の不一致を示しているが,すくなくとも,従来先天性魚鱗癬様紅皮症(以下CIEと略す)として一括されていたその水疱型と非水疱型たる乾燥型とを全く別個の疾患単位とすることについては意見の一致をみている。
最近当科外来において,3例のCIE (水疱型1,非水疱型2)を経験したのを機会に,CIEことにその水疱型と非水疱型の差異について考察し,かつその他の魚鱗癬との鑑別を試みたい。
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