臨床皮膚科23巻10号

1969年10月発行

検査法

染色体の検査法

著者： 笹川正二¹ 西田尚史²

所属機関： ¹東京大学医学部皮膚科教室 ²都立大塚病院皮膚科

ページ範囲：P.1043 - P.1048

I．はじめに
　最近10数年の間に人の死因および各種の疾患の比率は大きく変化してきた。医学の夫々の分野において遺伝性疾患の占める位置が大きくなつている。このことは皮膚科領域においても勿論例外ではない。ところで一般の疾患に対する場合と同様に，遺伝性疾患に取り組む場合も，近時新しい特殊の方法が進出してきている。
　現在のところ人類遺伝学的な方法論として主なものは概略下記のごとくであろう。^1）ごく大ざつぱに次の3つに分けることが出来る。