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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科23巻10号

1969年10月発行

文献概要

薬剤

尋常性痤瘡の血清脂質代謝—Pyridoxal Phosphateの臨床効果および生化学的影響

著者: 恒石静男1 小川滋1 菅野英男1 生駒元彦1 中西綾子1 新谷紘一1 亀井幸雄1 松橋節子1 植松茂生1 海保鈴代1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1055 - P.1063

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I.はじめに
 尋常性痤瘡(以下痤瘡と略す)の発生には,毛包皮脂腺系の先天的な解剖学上の欠陥,内分泌系ことに性ホルモンの変動,細菌感染,脂質代謝,あるいは糖質代謝などの異常,そのほか胃腸障害,肝機能障害,ある種の薬剤,精神的ストレス,食餌および生活環境など種々の要因が関与し,これらの要因がいくつかくみ合わさつて痤瘡が発生すると考えられている。この際,脂質代謝の異常も重要な因子の1つてあろう。
 ビタミンB6はアミノ酸代謝および糖質代謝に補酵素として作用する1)。また脂質代謝では不飽和脂肪酸の生成2),Acetyl-CoAの生成3),脱コレステロール作用4),脂血清浄因子の増加,あるいは抗脂漏作用などがあり,痤瘡の脂質代謝異常に対し効果が期待される。ビタミンB6は生体内ではPyridoxal-phosphate (以下PAL-Pと略す)の型で利用され,その構造式は次のごとくである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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