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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科23巻2号

1969年02月発行

文献概要

原著

Letterer-Siwe病の皮膚病巣部の細胞内にみられたいわゆるLangerhans顆粒(Birbeckの顆粒)について—電子顕微鏡的観察

著者: 伊藤光政12

所属機関: 1千葉大学医学部第2解剖学教室 2千葉大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.153 - P.161

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I.はじめに
 表皮のLangerhans細胞は,1868年Langer-hans1)によつて,金染色陽性の樹枝状細胞として最初に記載された。Langerhans細胞は,このように古くからその存在を知られ,それに関する数多くの研究がなされてきたにもかかわらず,その起原や機能については未だに十分解明されていない。これについて,近年まで,大別して2つの対照的な学説が,それぞれの支持者を得ていた。一方は,Langerhans細胞は何らかのかたちでmelanocyteに近縁の細胞であるとするもの2)3)で,これに対して他方は,この細胞を末梢神経性のものであるとしている4)5)。近年は,前者の意見の方がやや多くの支持を得ていたように見受けられる。いずれにしても,両説ともにLanger-hans細胞を外胚葉由来のものと考えている。
 電子顕微鏡的研究の結果,1961年Birbeckら6)が,表皮Langerhans細胞の細胞質中に,特異な形態をした顆粒を発見した。この顆粒は,Lan-gerhans顆粒またはその報告者にちなんで,Bir-beckの顆粒と呼ばれ,それ以来Langerhans細胞に特異的なものとみなされてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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