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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科23巻2号

1969年02月発行

薬剤

尋常性乾癬におけるCor-Tar-Quin Cremeの治療成績

著者: 川村太郎1 笹川正二1 石川英一1 森俊二1

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.213 - P.216

文献概要

I.はじめに
 尋常性乾癬は難治で,屡々瘙痒を伴い,一旦出来ると患者には種々の面で多大の苦痛をあたえ,また治療に当る皮膚科医にとつても,なかなかコントロールの難しい厄介な病気で,しかも近時我が国でも増加の傾向を示している。本症に対する外用剤については,従来より色々工夫されているが,なかでもタール剤(特にコールタール)による治療はゲッケルマン療法として有名で,現在でも本症治療の重要なる地位を占めている。
 しかし,10数年前に始まつた副腎皮質ホルモンの皮膚科への導入は,その優れた治療効果のため,驚くべき速度で普及し,そのため皮膚外用療法には大きな変革と進歩がもたらされつつある。尋常性乾癬に対しても,副腎皮質ホルモンの外用は有効で,特にODT療法は効果的である。現在では初期より引続いて用いられているハイドロコーチゾンの他にかずかずの合成副腎皮質ホルモンが開発され,外用剤に使用されている。今日の様に多種の外用ステロイド剤が出てくると臨床的にどれを選んだら良いか迷わざるを得ないが,こういう時にハイドロコーチゾンは最も手慣れたもので使い易く,また実際に効果の点でもなかなか捨て難い味わいを持つている様である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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