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原著
Hyalinosis cutis et mucosaeの1例
著者: 中村家政1 木村晴世1
所属機関: 1熊本大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.259 - P.270
文献購入ページに移動本症は劣性遺伝する比較的稀有なる疾患で,生来性あるいは幼少の頃より発症し,臨床的には全身各所の皮膚に黄白色丘疹,淡紅色ないし紫褐色の疣贅状結節,痘瘡様あるいは痤瘡様瘢痕,魚鱗癬様皮疹,脱毛症を生じ,また粘膜疹として上気道に白色ないし黄白色の板状,結節状,ポリープ状浸潤を来し,歯牙異常や特異な嗄声を発するなど極めて多彩且つ特異な症状を呈する。
本症に関しては,1908年スイスの耳鼻科教授Siebenmann1)がその綜説"Über Mitbeteiligung der Schleimhaut bei allgemeiner Hyperkeratose der Haut"の中で,Hyperkeratosis cutis universalisと上気道粘膜のKeratosisを来した19歳女子の患者について述べたのが恐らく本症の第1例であろう。その後はEberhartinger u.Niebauer30)およびGrosfeld22)の統計150例に,我々が文献的に渉猟した20例を加えた170例の報告をみる。
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