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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科23巻4号

1969年04月発行

検査法

実験皮膚炎の手技—DNCB皮表感作法を中心にして

著者: 宮沢偵二1

所属機関: 1仙台逓信病院皮膚科

ページ範囲:P.423 - P.430

文献概要

I.はじめに
 動物実験の目的はヒトにおける疾病を動物に再現せしめ尿その疾病の発生病理をみきわめ,適正な治療方法をみいだすことである。この目的を達成するために,動物に疾病を惹起させる方法,惹起され,あらわれた症状がヒトのそれらと共通性を持たねばならない。
 湿疹の発生機序として接触アレルギーが擬せられ,アレルギー性接触皮膚炎の動物実験を通して湿疹の発症病理が多くの人々によつて研究されてきた。本実験の初期から,化学物質をFrennd's adjuvantとともに,または赤血球基質あるいは血清とのconjugateを用い,モルモット足蹠あるいは腹腔内に注射される感作方法が行われて来た。あるいは化学物質のみの注射によつて不自然に人工的に侵襲せしめる方法が行なわれてきた。このやうな方法はヒトにみられる接触皮膚炎の発生経路とは非常にかけはなれた方法である。これらの研究方法が行なわれた所以は接触アレルギーを遅延型アレルギーとして漠然と把握し,接触アレルギーとツベルクリンアレルギーとの明確な区別を持たなかつたところにあるのではないかと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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