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文献概要
原著
直腸癌を伴つたBowen病の1例
著者: 小林寿美子1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.495 - P.499
文献購入ページに移動I.緒言
1959年Graham & Helwig1)はBowen病と内臓悪性腫瘍との合併についてその因果関係を論じ,以来この両者の関係が注目されるようになつた。本邦においては,上野ら2)によると170例中6例に内臓癌の合併があり,その後さらに2例の報告が3)されている。この8例の内訳は子宮癌4例,胃癌3例,直腸癌1例である。合併内臓癌は,数年遅れて発症することが多いとされている4)。最近経験した直腸癌を伴つたBowen病の1例を報告すると共に,Bowen病と合併する癌臓器について本学病理学教室5)における剖検悪性腫瘍755例の統計的観察を参考にして考察してみたい。
1959年Graham & Helwig1)はBowen病と内臓悪性腫瘍との合併についてその因果関係を論じ,以来この両者の関係が注目されるようになつた。本邦においては,上野ら2)によると170例中6例に内臓癌の合併があり,その後さらに2例の報告が3)されている。この8例の内訳は子宮癌4例,胃癌3例,直腸癌1例である。合併内臓癌は,数年遅れて発症することが多いとされている4)。最近経験した直腸癌を伴つたBowen病の1例を報告すると共に,Bowen病と合併する癌臓器について本学病理学教室5)における剖検悪性腫瘍755例の統計的観察を参考にして考察してみたい。
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