icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科23巻6号

1969年06月発行

原著

Werner症候群の1例

著者: 中内洋一1

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.593 - P.600

文献概要

I.はじめに
 本症はWerner1)(1904)により"Über Kat-arakta in Verbindung mit Sklerodermie"の下に報告された遺伝性疾患である。その主要症状は,若年性白内障,特徴ある短躯を示す思春期以後の発育障害,早期老化,皮膚の萎縮性変化であり,遣伝形式は劣性遺伝を示し,家族内発生,時に同一同胞内に多数の本症患者を発生する点が特徴的であり,欧米では現在までに百数十例の報告がみられている。Werner自身が眼科の医者であり,患者も多くは眼科にて発見される事が多い為に,本症候群の皮膚変化は充分に検討される事なく,Sclerodermieとの異同も不明のまま,一時混乱した時代もあつたが,Oppenheimer2) (1934),Thannhauser3)(1945)の報告以来,漸く両者の異同もはつきりして来た。
 本邦においても石田4)の報告例以来,同症と思われる報告例は40例以上に達するが,主に眼科領域からの報告例が多く,皮膚科領域での報告例は,坂本5),小林6),江原7)以下僅か数例しか見られず,従つて,本症の皮膚変化に関する検討もまだ充分にはなされていない様である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら