文献詳細
原著
老人性角化症,皮角,有棘細胞癌および脂漏性角化症の合併せる1例
著者: 辻卓夫1 須貝哲郎1 浜田稔夫1
所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.601 - P.606
文献概要
老人性角化症は,1869年Neumannが初めて記載し,以後Dubreuilh1),Freudenthal2)により脂漏性角化症から分離独立された希なる疾患で,癌前駆症(precancerous dermatosis)の1つと考えられている。本症をLever3)は1/2度の有棘細胞癌であるとし,その悪性化は20〜25%に達するという。一方皮角の多くは,その組織像より老人性角化症の増殖型の中に含有されている。
以上のごとく,老人性角化症は皮角,有棘細胞癌と密接な関係があり,一方脂漏性角化症との鑑別も必ずしも容易ではない。
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