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原著
顔面血管腫の形成外科的治療
著者: 藤野豊美1 山下真彦1 橋本和夫2
所属機関: 1慶応義塾大学医学部形成外科教室 2弘前大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.737 - P.745
文献購入ページに移動血管腫は,ごくありふれた疾患であり,診断も多くの場合容易であるが,その治療に関しては,放射線照射7)8),凝固剤注入16)あるいは真皮内に色素剤を刺青する14)17)23)など,種々試みられているものの,これらは局在的あるいは組織学的には治癒しても患者の希望である整容という点で,今一歩という段階であり9),時には,治療したことにより醜形を残すことさえある。
とくに,顔面の血管腫は患者に強い劣等感を与えていることが多い。われわれの外来を訪ずれる患者は,この疾患を自分の身体の一部から取り除くことによつて,劣等感より解放され,新しい自分の人生を踏み出そうとする動機をもつたものが多い。実際に治療した結果においても,この事実は証明されている(症例7)。したがつて,本症は機能的に障害がなくても,形成外科的治療の適応となると考えている。
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