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患者 2歳，女児。東京都荒川区在住
初診 昭和43年9月17日
雑誌目次
雑誌文献
臨床皮膚科23巻8号
1969年08月発行
雑誌目次
図譜・296
図譜・297
類肉腫症
著者： 竹村司 , 和田黎吾 , 辛悦基
ページ範囲：P.784 - P.785
患者 33歳，男，電気製品販売業。
現病歴 昭和41年夏，顔面，両膝蓋部，右肘部に皮疹発来，漸次遠心性に拡大して治癒傾向を示さないのて昭和42年5月19日当科受診。
展望
ウイルス性皮膚疾患のウイルス
著者： 橋本謙
ページ範囲：P.789 - P.806
I．はじめに
電子顕微鏡の性能の向上と試料の製作，検鏡技術の発達と相まつて，ウイルス粒子の発見のみならず，ウイルス粒子の形態と大きさについて，さらに感染細胞における吸着，侵入，増殖，游出などの動態が微細に観察され，記録されるようになつた。
皮膚疾患でウイルスが確認されたものには，腫瘍形成を示す尋常性疣贅，青年性疣贅，尖圭コンジロームおよび伝染性軟属腫と水疱形成を示す単純性疱疹，帯状疱疹，水痘などの疱疹群とである。
原著
全身汎発型環状肉芽腫
著者： 棚橋善郎 , 秋葉弘 , 三浦隆
ページ範囲：P.811 - P.816
I．緒言
1895年Colcott Fox1）が環状肉芽腫の限局型を初めて記載したが，本症に関しては以後現在に至るまで数多くの症例が報告されている。しかしそれらの報告例のほとんどすべてにおいて皮疹の数は一般に少なく，すなわち本症の汎発型ないし播種型とも云うべき症例については，報告数が極めて少ない。著者らは最近2例の全身汎発型本症を経験した。これらの症例における皮疹は，全身皮膚完膚なきまでに密に散在しており，この点極めて稀な症例であつた。以下にその症例につき述べると共に，全身汎発型環状肉芽腫について文献的考察を試みる。
先天性無爪甲症の2例
著者： 小玉肇
ページ範囲：P.819 - P.823
I．はじめに
無爪甲症とは爪甲の欠如した状態をいい，爪甲萎縮症とは爪甲が発育停止によつて萎縮している状態であり，このような変化は先天性奇型として出現する場合と後天性に出現する場合とがある。後天性の原因としては，爪甲自体の変化によるものと爪甲周囲の病変あるいは全身性疾患に続発するものがある。先天性無爪甲症とは生下時より既に全ての，あるいは殆どの爪甲が欠如しており，永久に正常な爪甲の新生をみず，原因と考えうる異常状態が併存しないという稀な疾患である。先天性無爪甲症と先天性爪甲萎縮症は合併している症例が多く，両者の区別は病状の程度によるものであり，本質的には同義とされている1）。本症は時に遺伝性，家族性発生や他の奇型との合併がみられることは興味深い。
本稿では昭和19年に谷奥が東大在職中に経験した本症症例と，最近著者らが経験した症例を合せて2例報告する。
Pseudoxanthoma elasticumに併発したElastosis perforans serpiginosa
著者： 鷹觜研一
ページ範囲：P.825 - P.830
I．緒言
1953年Lutz1）により人体の関節周辺皮膚，特に頸部に好発する環状ないし蛇行状配列を示す赤褐色角化性丘疹で，組織学的に表皮を穿孔する真皮弾力線維組織を特徴とする疾患がKeratosisfollicularis serpiginosaとして報告されて以来，同様の症例が内外に諸家により種々の名称で報告されているが，1958年Dammert-Putkonen2）の提唱したElastosis perforans serpiginosa （EPS）が診断名として近年多く採られている。この間，本症の合併症，発生機序および共通する変性物質の検索などに関して多数の論著に接するが，このたび，著者は30歳女性のPseudoxanthoma ela-sticum （PXE）に併発したEPSを観察する機会を得たので，2,3文献的考察を加えて報告する。
指趾の壊疽を伴なつた全身性エリテマトーデスの1例
著者： 中安清 , 筏淳二
ページ範囲：P.831 - P.836
I．はじめに
全身性エリテマトーデスの皮膚変化としてはbutterfly blush，photosensitivity，chronic dis-coid lesion，alopecia，Raynaud's phenomenonさらにnondescriptive erythematous maculo-papular eruptionなどがよく知られており，指趾に壊疽を発生することは少ない。著者は最近，指趾に壊疽を伴ない，副腎皮質ホルモン投与および壊疽部の切断により緩解した全身性エリテマトーデスの1例を経験したので報告する。
過去5年間における帯状庖疹の治験例
著者： 平田光夫
ページ範囲：P.837 - P.839
I．緒言
帯状疱疹は吾々皮膚科医が屡々経験する疼痛，発赤，小水疱の群生を主体とする疾患で，その殆んどが扁側性で一定の神経支配領域を犯すpop—ularな皮膚疾患とされておる。私は昭和38年1月より同42年12月迄の5年間に当診療所外来を訪ずれた帯状疱疹症例103例を経験したので，これに就いて簡単な統計的観察を行い，治験例を報告する。
皮膚のAngioendotheliomaの1例
著者： 木村正方 , 吉田広作 , 沼田俊三 , 木村克明
ページ範囲：P.841 - P.846
I．はじめに
本邦での皮膚血管内皮細胞腫の名の下に報告された例は，比較的少ない。私達は最近，この範疇に属する腫瘍例を検索する機会に遭遇したので，その検査成績を報告する。なお，この種の血管性腫瘍は，診断名においても未だ統一されてはいないので，その点にも言及したい。
薬剤
ナトリウム・デキストラン硫酸エステルによるケロイドの治療
著者： 塚田貞夫 , 竹田公彰 , 岩泉九二夫
ページ範囲：P.853 - P.857
I．はじめに
ナトリウム・デキストラン硫酸エステル（MDS，興和株式会社提供）によつて瘢痕ケロイドを治療した成績を下に述べる。
海外見聞記
ラテンアメリカ便り（4）—ボリビア
著者： 大城戸宗男
ページ範囲：P.858 - P.859
世界中で学園騒動いや革命が進行しているが，そのアイドルのチェ・ゲバラがキューバに次ぐ実験を何故このボリビアに選んだのかは彼の日記を読んでもぴんとこない。この国も他のラテンアメリカの例にもれず戦争，革命を繰り返えしていたが，1952年初めて社会主義革命が成功し，農地改革，鉱山国有化が実施された。これが反動勢力により徐々に崩壊していくのをアルゼンチンの医大を卒業したてのゲバラはベネズエラ奥地の癩病院を訪れる途中にみている1）。彼の共産革命に関してラテンアメリカ特有の貧富の差より生ずる必然の歴史とみたり2），被支配階級のインディオ解放の人種問題としたりする意見3）等があるが，この国で貧富の差，無知で無力で怠惰な原住民を眼のあたりにすると誰しも現体制に疑問をもつらしい4）。
所がいつこうに何も感じないのが我々一行。この国は戦争続きで男がいなく，サンタクルス市の公園の樹の上から下を通る男めがけて女が降つてくるというのを真に受けてベンチに何時間も坐つていて，人が書いたものはあてにならないと最後につぶやいていたから皆様も旅行記には注意が肝心。ここから120キロ奥地にジャングルを開いた邦人移住地が1955年からできている。
外国文献
外国文献—専門誌から
著者：
ページ範囲：P.861 - P.863
ACTA DERMATO-VENEREOLOGICA 48 : 6, 1968
The Effect of Anionic, Cationic, and Nonionic Detergents on the Percutaneous Absorption of Sodium Chromate (51CR) in the Guinea Pig : J. E. Wahlberg 549
Ultrastructural Localization of Aryl Sulfatase in Human Epidermis : R. L. Olson, J. Nord-quist and M. A. Everett 556
〈原著論文抄録〉
全身汎発型環状肉芽腫，他
著者： 棚橋善郎 , 秋葉弘 , 三浦隆
ページ範囲：P.871 - P.871
全身汎発型環状肉芽腫の2例を報告した。症例1は68歳女子，症例2は52歳男子であつた。両例共個疹は扁平隆起性の円ないし多角形の丘疹であり，表面に光沢を有し，中心臍窩の認められるものもみられた。このような皮疹が全身に極めて密に散在しており，この点極めて稀なものであつた。これらの皮疹に加えて，一部に定型的な環状疹がみられた。組織学的には定型的な環状肉芽腫の像であつた。症例1はINAHとクロロキンの併用が有効であり，症例2はコルチコステロイドの内服が著効を示した。
この自験2例に，文献上みられた全身汎発型本症の症例10例を加え，これら症例における年齢・性・初発年齢・初発部位・ツ反・組織像・治療などについて考察を加えた。
基本情報
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26巻12号（1972年12月発行）
26巻11号（1972年11月発行）
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26巻6号（1972年6月発行）
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26巻4号（1972年4月発行）
26巻3号（1972年3月発行）
26巻2号（1972年2月発行）
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25巻13号（1971年12月発行）
特集 小児の皮膚疾患
25巻12号（1971年12月発行）
25巻11号（1971年11月発行）
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25巻9号（1971年9月発行）
25巻8号（1971年8月発行）
25巻7号（1971年7月発行）
特集 基底膜
25巻6号（1971年6月発行）
25巻5号（1971年5月発行）
25巻4号（1971年4月発行）
25巻3号（1971年3月発行）
25巻2号（1971年2月発行）
25巻1号（1971年1月発行）
24巻12号（1970年12月発行）
24巻11号（1970年11月発行）
24巻10号（1970年10月発行）
24巻9号（1970年9月発行）
24巻8号（1970年8月発行）
24巻7号（1970年7月発行）
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24巻4号（1970年4月発行）
24巻3号（1970年3月発行）
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24巻1号（1970年1月発行）
23巻12号（1969年12月発行）
23巻11号（1969年11月発行）
23巻10号（1969年10月発行）
23巻9号（1969年9月発行）
23巻8号（1969年8月発行）
23巻7号（1969年7月発行）
23巻6号（1969年6月発行）
23巻5号（1969年5月発行）
23巻4号（1969年4月発行）
23巻3号（1969年3月発行）
23巻2号（1969年2月発行）
23巻1号（1969年1月発行）
