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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科23巻8号

1969年08月発行

文献概要

原著

先天性無爪甲症の2例

著者: 小玉肇1

所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.819 - P.823

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I.はじめに
 無爪甲症とは爪甲の欠如した状態をいい,爪甲萎縮症とは爪甲が発育停止によつて萎縮している状態であり,このような変化は先天性奇型として出現する場合と後天性に出現する場合とがある。後天性の原因としては,爪甲自体の変化によるものと爪甲周囲の病変あるいは全身性疾患に続発するものがある。先天性無爪甲症とは生下時より既に全ての,あるいは殆どの爪甲が欠如しており,永久に正常な爪甲の新生をみず,原因と考えうる異常状態が併存しないという稀な疾患である。先天性無爪甲症と先天性爪甲萎縮症は合併している症例が多く,両者の区別は病状の程度によるものであり,本質的には同義とされている1)。本症は時に遺伝性,家族性発生や他の奇型との合併がみられることは興味深い。
 本稿では昭和19年に谷奥が東大在職中に経験した本症症例と,最近著者らが経験した症例を合せて2例報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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