臨床皮膚科24巻1号

1970年01月発行

綜説

乳房外Paget病

著者： 池田重雄¹ 田嶋公子² 石橋康正² 水谷ひろみ² 宮里肇² 新村真人² 今井清治² 西脇宗一³ 鳥居ユキ¹

所属機関： ¹東京大学分院皮膚科 ²東京大学医学部皮膚科教室 ³関東中央病院皮膚科

ページ範囲：P.15 - P.32

文献概要

はじめに
　我々が過去約10年間にわたり，主として東大皮膚科で取扱つてきた皮膚悪性腫瘍は第1表にみるごとくである。癌前駆症138例中Paget病は27例，そのうちに乳房外Paget病は21例におよぶ。今回は自験例を中心として，乳房外Paget病の臨床症状，組織所見，治療方法の現状等につき考案を加え本症に対する我々の現在の考え方を述べて見たい。なお本邦報告例についての詳細ないし本症の一般文献的考察に関しては森の原著^20）を参照されたい。