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原著
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Beutnerら1,2)により尋常性天疱瘡患者血清中に表皮有棘細胞間物質に対する抗体が存在すること,また皮疹部のγ-グロブリンの沈着の事実が螢光抗体法の導入によつて明らかにされて以来,その病因本態を解明するまでには至らないにしても天疱瘡群2),水疱性類天疱瘡3,4),Duhring疱疹状皮膚炎5)などにおける自己免疫現象の関与が相次いで見いだされて注目を浴びるところとなってきた。また,主として内科領域でその自己免疫現象が追求されている全身性紅斑性狼瘡においても皮膚科的には皮膚発疹部あるいは無疹部のγ—グロブリン沈着の存在が患者血清中の抗核抗体とともに補助診断の1つとしてあげられている6,7)。このようないわゆる自己免疫性疾患の病因あるいは診断面での急速な発展はCoons & Kaplan8)により確立された螢光抗体法の導入によるところがきわめて大きい。
われわれは当科で経験した天疱瘡群,水疱性類天疱瘡を中心としたいわゆる自己免疫性皮膚疾患々者の血清中に存在する自己抗体を螢光抗体法を用いて検索した。同時にそのうちの若干の症例については皮疹部に沈着するγ-グロブリン(IgG)をも検索したので報告し,本領域における最近の研究とあわせて,螢光抗体法の応用が皮膚科診断学の一助として,また,経過を観察する上にも有用であることを紹介したい。
われわれは当科で経験した天疱瘡群,水疱性類天疱瘡を中心としたいわゆる自己免疫性皮膚疾患々者の血清中に存在する自己抗体を螢光抗体法を用いて検索した。同時にそのうちの若干の症例については皮疹部に沈着するγ-グロブリン(IgG)をも検索したので報告し,本領域における最近の研究とあわせて,螢光抗体法の応用が皮膚科診断学の一助として,また,経過を観察する上にも有用であることを紹介したい。
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